非実在犬の存在しないハートから溢れ出す愛。

最近読んだ、SF小説の主人公は非実在犬であるエドを飼っていたのだが、その犬を紹介するくだりが美しさの見事っぷり、にほとほと感心した。

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彼は自分が存在していないのとにさえ気付いていない。犬は、よだれにまみれた無条件の忠誠を主人公に捧げる、奇妙な存在論的実体にすぎないのだ。過剰にして無償の愛。エドは間違いなく何かの保存則を破っている。そこでは、無から何かが湧き出している。たとえばこのよだれが全部、そうして多分、愛なんかも。非実在犬の存在しないハートから溢れ出す愛。
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非実在犬というSF設定の説明をしていながら、同時に愛が存在論的実体だという説明にもなっているのだ。なんて高度なメタファーなんだ、とページを捲る手が止まった。

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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