11月第4週

月曜日

終電を無くし、夜中に我が家に泊まりに来た初対面の人を起こすところから一日が始まる。同居人の友人であるのだが、皆、疲れていたため、夜は大して何も話さずに寝てしまった。起こすと、慌ただしく出て行った。しかし、財布を忘れていったので、財布を返すついでに昼飯にカレーを食べる。こういったように家にいるだけで予期せぬ出会いが発生するのは愉快である。

ここ数日ずっと悩んでいたゼミの研究計画書に書くことが何とか夜に決まり、風呂に入ろうとすると、相変わらず水が流れず、ガスも付かないというどうしようもない状況になっていたので、高田馬場の銭湯へ。だがしかし祝日ということもあり、どこの銭湯も休みであったので友人の家のシャワーを借りる。

夜中、なんとなく気になって朝、我が家を慌ただしく出て行った人のブログを読む。喋ったときに想像してたのとは全然違う感性の持ち主で、日常や感情の切り取り方や自意識の取り扱い方に驚かされる。パーソナルな内容のブログだったので呟きこそしなかったが、仲の良い友人に「この人の書く文章がめっちゃいい」とLINEしてしまった。

 

大学に入学した頃に知り合った女の子に「君は何でも言語化出来ると思ってるけど、そうじゃないの、言語化出来ないことも沢山あるの」と感情のない現実主義者として窘めれたことがあった。この言葉がずっと引っかかっているのだが、大事なことは言語化出来る/出来ないといった二択ではなく、言語化しようとする/しようとしないの二択ではないのだろうか、と思う。結局、伝えたいことがあっても、言葉や文章にしなければ伝わらない。格好いいと思ったアーティストを人に勧めたり、皆に彼らのライヴを観てもらうためにパーティーを企画したり、面白い映画をtwitterでつぶやいて情報をシェアしたりするのも似たようなものだ。何かしら自分の中で生まれた感情をアクションに変えていくことは大事だ。もちろん前述したように、そのアクションの方法に言語化以外の方法は沢山あるけれど、方法としては最も単純で使い勝手がいいのが言語化なのではないのかと思う。形や実体を保つものは見えやすい。

 

火曜日

昼から色々なところに用事があったので、雨の中、動きまわる。冬の雨は冷たい。

夜に最後の用事として森の図書館に行く。コップがプラスチックだった。

プラスチックのコップで飲み物を飲むと、どうもしっくり来ないのは僕だけだろうか。

渋谷の雑居ビルの中にあり、全然、森ではなかった。

 

帰宅すると、同居人が汚れと水が溜まった風呂を掃除していた。

天井にいる虫を落とす。すると顔に落ちてくる。払う。だが床は水が溜まっていて流れないため、虫も漂い続けるという生き地獄から悲鳴がずっと聞こえていた。

同居人の努力もあって風呂場はある程度の清潔さを取り戻した。

その後は「野郎ども!パスタパーティーだ!好きなタレに好きなだけパスタを浸けて食いやがれ!」という声掛けと共にパスタを食らう。一瞬で消えていった。

 

水曜日

寝不足のままインターン先へ。午前中でマストの仕事は終わらし、午後は休ませてもらうことに。三田祭休み明けで久しぶりの学校へ。

うちの大学には3つの食事スペースがあるのだが、その2つであるカフェや大食堂と違い、目が死んだ冴えない男ばかりが集まる食堂「山食」でカレーを食べる。大盛りで370円とめちゃくちゃ安い。大きめにカットされた玉ねぎが歯ごたえあって美味しい。週に2、3回は食べている気がする。

f:id:rikky_psyche:20141127171453p:plain

 

授業が終わったあとは毎日新聞朝日新聞の一週間の一面の違いについてのレポートを書く。自分でも何で読売と朝日にしなかったのかが謎で、そこまで姿勢に違いがないので書きづらい。

帰り道、原宿で途中下車してBIG LOVEへ。

写真はネットから拾ってきた画像でもっと昔の画像。

f:id:rikky_psyche:20141127171859p:plain

MATER SUSPIRIA VISION率いるPHANTASMA DISQUESの「悲しみの音楽祭」と仲さんのZINEを購入したつもりだった。のだが家に帰って中を開けてみると、それは仲さんのZINEではなく、BIG LOVEで働いてると思われる女性のZINEだった。彼女の二週間のニューヨークへの留学が綴られたZINE。ちゃんと中身について聞けばよかったなぁなんて思ったけど、全く誰なのかも知らない人のパーソナルなZINEを読むのは不思議な体験で面白かった。彼女がニューヨークで大学時代の友人の際に会ったときについて書いた言葉が印象に残った。

この歳までずっと一緒にいるだろうと思ってた友人とは滅多に会わなくなって、予想もしてなかった友達と予想もしていない場所で新しい話題を共有してて、きっとまたこの街で会うってわかる。人生ってまだまだ面白いことがあるのかもしれない。

購入したPHANTASMA DISQUESの新譜もよかった。曇りがちな最近の景色に合うのでよく聴いてる。Bandcampで視聴も購入も出来るようなのでURLを貼っておく。


PD-124『SAD RAVE』 | Phantasma Disques

 

晴れる日が続くようになったら、また北園みなみの新譜を聴こう。

 そういや北園みなみの名前の由来である北園克衛の詩集読んだことないので、近いうちに読んでみたい。以前、彼との共通点を聞かれたときに北園みなみが

こじんまりとした箱っぽい雰囲気が気に入りました。短編も残していますが、ミニチュアの街を上から覗いているような印象です。 
シンプルで小さな世界に奥行きを感じさせる作風に共感を覚えます。

と語っていた頃から気になっている。


「ネシ子が会う」北園みなみ(連載 第七回) - いまトピ

 

帰宅すると同居人がカレーを八人分作って待っていた。カレー食べてばかりである。

そして八人分ですら、またしても我々の胃袋に一瞬で消えていった。

 

木曜日

朝からインターン先へ。久しぶりの晴れだったものの、生乾きの服で行かねばならず気が重たかった。夕方に業務を終えて、大学へ。

京都から早稲田にやって来ている高三の塾、浪人の予備校と二年間を同じ環境で過ごした友人がうちに泊まるということで途中で勉強を切り上げ電車に乗る。

高田馬場の道で出会ってすぐに顔から疲れていることを感じ取ったが、我が家ではたこ焼きを23時から始める段取りを行っており、大丈夫だろうか、と心配する。だがそんな心配も無用で、彼女と同居人が仲良くなってくれて嬉しかった。僕は不器用なので彼女と同居人がたこ焼きを回す様子を眺めながら、リビングにかけるレコードを選んでいた。

 

最近、我が家では小学四年生を騙り政治的なウェブサイトを作り騒動になった同級生に関する話題がよく出る。この日は誰も彼もがツッコミになって、ボケれなくなってしまっていると東京ポッド許可局でよく話されていることを引き合いに出し、この問題を繋げて話した。最近一番腑に落ちなかった言葉に「私、ああいうポエムツイートする人、イタいと思う」という趣旨の言葉があった。僕はこれに関して何故、腑に落ちないのか考えていたのだけれど、それは誰も彼も(特に大学生ぐらいの年齢)が客観的に物事を見るくせがついてしまって、ツッコミ目線で物事に接し、ボケることイコール悪いことのように捉えられているように感じてしまったからだ。そういったものに寛容に、ボケる(これは比喩であらゆる表現を指す)に寛容になることになるのが必要ではないか云々を話す。長いから省略する。この話題はきっとまた何処かで。

 

金曜日

朝、早稲田に用事があった泊まりに来ている友人を大隈講堂まで送り届ける。

「ほなまた!」と残して去っていくのを聞いて「ほなまたって生粋の大阪人やな・・・」と思う。

家に帰ってうたた寝していると気付いたら、もうお昼だった。

起きてからもだらけてしまい、結局、必修の五限でようやく登校

たった一コマだけ受けて帰るのも癪だったので大学の図書館でしまおまほのガールフレンドを読んでいた。

しまおまほの幼少期から今まであらゆる年代の記憶や景色が綴られているのがこのエッセイなのであるのだが、特にしまおまほが大学を出てからの思い出に関するエッセイが心に残った。年老いた親を見ること、結婚した友達を見ること、そういった経験はまだ僕にはないため、僕もこういう経験を踏まえて大人になっていくのかーと思った。僕の現実味のない、けれどいつかは必ず来る朧げな未来。そんな無色透明の不定形未来の一つのパターンとして、形と色彩が伴ったものを見ることが出来た気がした。

しまおまほが中高と手紙をときたま貰っていた地元の小学校の同級生「ふっちゃん」が妊娠した話が良かった。しまおまほは彼女に38歳まで結婚出来ないと言われているのだが、その話を彼女はこういう文章で締める。少し文脈の説明が雑なので飲み込みづらいだろうが書いておく。

大学に入って、わたしも恋をした。恋愛をちゃんとするようになってから、やらなくなった事がたくさんある。日記をつける事、恋愛漫画を読む事、家族で祝う記念日、それまで好きだったバンドへの執着、そして友達との手紙の交換。みんなどこかへ消えてしまった。

もしかしたらそういうのって、家族を作ると復活するものもあるかもしれないと思ったりする。

わたしは38歳までそれを確認出来ないだろうか。

とりあえずふっちゃんから赤ちゃんが出てきたら教わろうと思う。

 昔、大人になったら勝手に精神も大人になるものだと思っていた。だが大人になったところで子どもの頃よりも悩みは云々の話は五億回ぐらい語られているので、省略。だがしかし、大人になったときの内実はその時が来るまで見えない。それが可視化されることの嬉しさがこの本にあった。あんまり引用した箇所と関係ないけれど。

ガールフレンド (P‐Vine BOOKs)

ガールフレンド (P‐Vine BOOKs)

 

 

読み終えて図書館でボッーとしていると、社会人の先輩から連絡が入る。

社会人の先輩たち一同で金曜の深夜から伊豆に旅行に行くので、どうせそのために皆で集まるのならということで鍋をする模様でその鍋を手伝う。

渋谷駅からヒカリエに行く際に見かけたSHIBUYA VIVIDの広告が素晴らしくよかった。

調べてみると今年の春からやっているキャンペーンの様。気付くのが遅すぎる。

ちらっと見たマーケティングの大先生みたいな人が来日して質問を受けているインタニューでSNS広告について語っていた。曰くあまりにも売ろう売ろうが出すぎてはいけない、SNSはコミュニケーションの道具で広告の道具ではない、と。コミュニケーションの道具として企業は使っていくべきだ、と。だがしかし街頭広告だってそのような一面もあるのではないだろうか。売ろう売ろうが目に見える広告は街頭広告でもCMでも楽しくない。街を歩いていて、CMを見ていて、いい気持ちにさせてくれる広告が僕は好きだ。インターネットサーフィンをする中での楽しみの一つにウェブ広告がもっとなればいいのに。月一でその月のバナー広告を批評しているブログがあれば僕はすごく読みたい。お前がやれよって話だけど。

f:id:rikky_psyche:20141130170202j:plain

 

ヒカリエで先輩と合流し先輩の家へ。久しぶりに食べた豚バラミルフィーユはとても美味しくて、何回食べても感動が持続した。実家にいたとき、晩御飯が豚バラミルフィーユ鍋だったときはいつも嬉しかった。うちでも豚バラミルフィーユ鍋をやらないか、今度提案してみよう。

f:id:rikky_psyche:20141129133816j:plain

 鍋をつつきながら、人狼をして盛り上がっていたが、翌日一限のため帰宅した。

友達が渋家でライヴをやっていたのにも足を運びたかった夜だった。

 

土曜日

結局、帰宅してからも同居人とあれやこれや話していたため寝坊。

遅れても出席しない訳にはいかない授業なので、タクシーと電車を駆使し、何とか三十分間は出席する。

教授から「残り授業は三回です」という報告を受ける。何だか勿体無いことをしてしまった気がする。もうすぐ大学二年も終わってしまうのか。折り返し地点に立っていることを意識させられる言葉だった。

授業が終わってから、勉強しているうちに夕方に。

夕方から、そこまで志望順位が高くないゼミのための試験を受ける。

基礎知識と作文の試験だったのだが、後者の試験のテーマが記憶だった。失われた時を求めての話題でこのテーマについて書くのは何度目だろうかと思いながら試験を途中で出た。志望順位が低くはあるが受かっていてくれると助かる。

帰りはSPBSに寄りたかったのだけれど、センター街で挫折し渋谷のブックオフで昔のスタジオボイス広告批評を買って帰宅。久しぶりに広告批評を読んだが、やはり面白い。広告の例を紹介しているサイトやブログは今でも観ているけれど、断然広告批評の方が面白い。やっぱりひとつの事例ごとに記事をワンクリックしていくのが面倒。一つにパッケージングされてるほうが楽である。それはそうと、ウェブ広告や動画広告の事例を紹介するブログは多数あれど、新聞広告や街頭広告を紹介しているブログを見たことがないのだけれど、いいブログがないだろうか。先日、バナー広告でも思ったことでもあるけれど、現状取りこぼされている、紹介されていない広告はいっぱいあるのではないだろうか。まぁ僕が情弱という可能性もけっこう高いが。

渋谷駅でぐるナビの「忘年会はお祭りだ」広告を見る。この「忘年会はお祭りだ」広告が始まって、4年目ぐらいだろうか。この広告キャンペーンを見ると、年の瀬を感じる。

今年のキャンペーンも素晴らしい。

今年のコンセプトはコレ

f:id:rikky_psyche:20141130174905p:plain

グッと来ない訳がないだろう。忘年会やりたくなる。 

 

テレビCMはベトナム日本人学校で「ボーネンカイハオマツリダ」という魔法の言葉を習った女の子が主役。遠く日本の忘年会という不思議なお祭を知ってしまった彼女のストーリーだ。全部で四本あるのだが短いのでどれも載せておく。

 

ベトナムの女の子が初めてする忘年会から私達の心に忘年会への欲求を高めてくるというのはけっこう斬新ではないだろうか。忘年会を通して同僚の新たな側面を知れる、日常にあり得そうな光景が忘年会を通過することで変質する、そういった切り口からこれまで忘年会はお祭りだTVCMは行われていたように思えるのだが、場所をベトナムに設定し、初めて忘年会を知る女の子から忘年会のバリューを浮かび上がらせるというのはこれまでより面白いし新しい取り組みをしていると思った。

ポスターもよかった。

ちなみに忘年会はお祭りだの2012年のこの広告もかなり好き。

f:id:rikky_psyche:20141130174650p:plain

 

 日曜日

寒かったので起きてからずっとロシアのアニメやら戦時中のディズニーが作ったプロパガンダアニメをパソコンで見て過ごす。

 

昼に同居人と高田馬場の「もり」という蕎麦屋へ。美味しかった。

けれど、店内が狭く、また並んでいたためゆっくり出来なかったのが残念。

個人的にそばはゆっくり食べて、そば湯を楽しみたい。

ラウンジネオにも行きたかったが勉強せねばならぬので早稲田の図書館へ。

早稲田は日曜日も図書館がやってくれていて助かる。

レポートと勉強が溜まっている生活も来週末には一区切り付くはず。

来週末こそは映画観たい。